不招請勧誘禁止等の規制とは?
ある日、信如が美登利の家の前を通りかかったとき下駄の鼻緒を切ってしまう。 美登利は信如と気づかずに近付くが、これに気づくと、恥じらいながらも端切れを信如に向かって投げる。 だが信如はこれを受け取らず去って行く。美登利は悲しむが、やがて信如が僧侶の学校に入ることを聞く。 その後美登利は寂しい毎日を送るが、ある朝水仙が家の窓に差し込まれているのを見て懐かしく思う。 この日信如は僧侶の学校に入った。
俗に言う春樹三部作の続編。よって作中の「僕」は『風の歌を聴け』の主人公と同一人物。他の村上作品と同様、翻訳多数あり。
やや抽象的・奇抜な表現や台詞の多かった前三作に比べて作風はずいぶんと変わり、活字の量・物語性が増している。ただし、村上自身は前三作同様に自由に書いたものであるとしている[1]。また、それまでの村上作品に一貫したテーマである、資本主義の高度発展への社会批判、空虚感と孤独感が特徴として挙げられる。
『ノルウェイの森』がザ・ビートルズの曲名であるのと同様に、『ダンス・ダンス・ダンス』もアメリカのバンド、ザ・ビーチ・ボーイズのヒットソング名でもある。村上本人はこの小説のタイトルの由来について、「どちらでもいいようなものだけど」と前置きしつつも、「ザ・デルズという黒人バンドの曲名から取った」と述べている。これは、村上が渡欧前に日本で作り持って行った自作オールディーズテープに偶然入れていて、なんとなく聴いているうちに題名に使うことを思い立ったとのことである[1]。
この作品の英語翻訳は、未成年の飲酒・喫煙のシーンや、文化的に英語圏の人間にはわかりづらい箇所、ボーイ・ジョージに関する描写などが諸々の理由からカットされている。
時は高度資本主義の真っ只中の1983年、『
整体師
をめぐる冒険』で主人公「僕」が遭遇した「いるかホテル」と「羊男」を主軸に、様々な登場人物との出会いと別れが繰り広げられる。
フリーのコピーライターとして「文化的雪かき」に従事する「僕」は、何かに呼ばれているような焦燥を感じていた。それを確かめるためには、もう一度「いるかホテル」に戻らなければならない。そこでは誰かが「僕」を求め、「僕」のために涙を流しているのだ。
しかし、行き着いた「いるかホテル」は名前を引き継ぎつつも、まったく別の高級ホテル「ドルフィンホテル」に変わり果てていた。「いるかホテル」の消滅に戸惑う「僕」。だがそのホテルには異空間への継ぎ目が存在していたのだ。
「僕」は突如としてエレベーターから暗闇に投げ出される。極度の不安の中、その闇をくぐり抜け、「
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」がたどり着いた薄明かりの部屋には、あの羊男がいた。羊男と再会した「僕」は、「いるかホテル」は「僕」の為の場所であり、「失われた心の震えを取り戻すためには、華麗なステップを踏みながら踊りつづけるしかない」と告げられる…
今までの
不用品回収
の出来事に決着をつけるため、「僕」は踊り続ける事を決意する。
作品中に登場する牧村拓(まきむら ひらく)は、村上春樹(むらかみ はるき)のアナグラムである。このアナグラムは日本語としては成立しないが、英語のアルファベット表記において成立している (MAKIMURA HIRAKU - MURAKAMI HARUKI)。このアナグラムは、村上作品英訳の研究者 塩濱久雄が、神戸で行われた作品の朗読会の場で村上に質問し、村上自身がそれを認めている(塩濱は現 神戸山手大学准教授で、自論文中で経緯の記述がある)。本作品における牧村拓は、純文学作家として当初成功するものの、すぐに行き詰まり、世界各地へ出かけて得た奇抜な体験を書き散らす「冒険作家」として描かれている。
村上は本書にハワイが出てくる理由について、本書執筆の
粗大ごみ
を費やしたローマの家があまりにも寒かったので、完成したらハワイに行こうと妻に提案し、それからはハワイのことを考えながら執筆を続けたからであるとしている[1]。
村上は本書を執筆した動機について、『羊をめぐる冒険』を書いた後に、「主人公に申し訳ないことをした」という思いを抱いたことであると語っている。また本書の続編を書くつもりはないとも語っている[要出典]。
本書は2002年時点で、単行本・文庫本を合わせて229万部が発行されている。
『痴人の愛』(ちじんのあい) は谷崎潤一郎の小説。1924年3月から大阪朝日新聞に連載。6月から10月までいったん中断したが、後半は「女性」に掲載された。
カフェの女給から見出した
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を育て、いずれは自分の妻にしようと思った男・河合譲治が、
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に少女にとりつかれ、破滅するまでを描く。
耽美主義の代表作。
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という言葉を生み出した。
河合譲治は28歳になる独身の電気技師である。質素で凡庸で、何の不平も不満もなく日々の仕事を勤めていて、真面目すぎるが故に会社では「君子」といわれていたほどの模範的なサラリーマンであった。それに宇都宮生まれの田舎者で、人付き合いも悪く、その歳になるまで異性と交際した経験は一度もなかった。一応の財産もあり、醜い顔立ちでもなかった譲治がこの歳まで結婚しなかったのは、彼に結婚に対する夢があったからだ。それはまだ世の中を何も知らない年頃の娘を手元に引き取って、妻としてはずかしくないほどの教育と作法を見につけてやり、いい時期におたがいが好きあっていたら夫婦になる、という形式のものであった。
不思議な運命の巡り会わせで、彼は浅草のカフェでナオミという15歳の美少女に出会う。ナオミは混血児のような美しい容貌であったが、その頃は無口で沈んだところのある、あまり血色もよくない娘であった。実家も貧しかった。ナオミを気に入った彼は彼女を引き取り、洋館で二人暮らしを始める。
「友達のやうに」暮らそう、というのが最初の申し合わせであった為、二人はママゴト遊びのような生活を送る。寝室も別であった。稽古事をすることを約束させ、ゆくゆくはどこへ出ても恥ずかしくないレディーに仕立てたいと彼は計画していた。ところが彼の期待は次第に裏切られていった。彼が、頭も行儀も悪く、浪費家で飽きっぽいナオミの欠点を正そうとすると、ナオミは泣いたりすねたりして、結局のところは最後には彼のほうが謝ることになるのである。
そんなある日、彼が早く家に帰ってみると、玄関の前でナオミが若い男と立ち話をしているのにぶつかった。嫉妬の情にかられた彼はナオミに問いただすが否定される。しかし、ナオミが他にも何人もの男とねんごろなつきあいをしていることに気付き、本当に怒った彼はその男達との一切の付き合いを禁じ、ナオミを外出させないようにした。いったんナオミはおとなしくなったものの、また熊谷という男と密会していることが分かり、彼はとうとうナオミを追い出してしまう。
追い出してしまったものの、彼はナオミが恋しくて仕方がなくなる。無一文で出て行ったナオミを彼は心配でいてもたってもいられなくなったので、手を尽くして探してみると、ダンスホールで知り合った男性の家にとまり、豪華な服装をして遊び歩いていることを知る。これには彼もあきれ果ててしまった。
ナオミのことを忘れようとしている彼のところへ、ある日ふらっとナオミが現れた。荷物がまだ全部彼の家にあるので、それを取りに来たのだという。ナオミはそんなふうにして、ちょいちょい家にやってくるようになった。品物を取りに寄るというのが口実だが、なんとなくぐずぐずいる。日が経つにつれて、ナオミはますます美しくなってくる。あれほど欺かれていながらも、彼はナオミの肉体的な魅力には抵抗が出来ない。ナオミも自分の魅力が彼に与える力を充分に知っていて、次第に彼を虜にしてゆく。ついに彼はナオミに全面降伏をする。
会社を辞め、田舎の財産を売った金で横浜にナオミの希望通りの家を買い、二人は暮らすようになる。もう彼はナオミのすることに何も反対をしない。彼は、限りなく美しさがましてゆくナオミの肉体の、奴隷として生きていく。